感染やアレルギーにより血液中に作られる疾患由来のタンパク質である抗体の有無や量を調べる免疫検査は疾患の診断に広く用いられています。 免疫検査では特定の抗体のみと結合するタンパク質で修飾されたマーカーを使用し、マーカーからの信号を測定することで抗体を検出します。現在は蛍光体などの光学マーカーが用いられていますが、これに代わる方法として、磁気微粒子を使用した磁気マーカーを用いた磁気免疫検査が注目されています。
SUSTERAでは、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の研究開発[1]に参画し、鋼材の腐食・亀裂を高感度に検出、評価可能な高感度磁気非破壊検査技術の開発を進めています。 磁気免疫検査では、ブラウン回転運動の違いを利用して、結合した磁気マーカーと未結合マーカーを区別できます。このため、過剰なマーカを洗浄除去する工程が不要となり、迅速な検査が可能になります。また、光を透過しない試料でも検査できるため、全血での検査や体内診断への展開も期待されています。SUSTERAではJSTの戦略的イノベーション創出推進プログラム(S-イノベ)の研究開発[1]に参画し、高感度磁気免疫検査装置の開発を進めています。 磁気センサーに高感度なSQUIDを使用することで、アトモルレベル(アトモル=10-18mol)の微量な抗体を検出できています。
参考:
[1] テーマ名:高温超伝導SQUIDを用いた先端バイオ・非破壊センシング技術の開発
研究責任者:九州大学 円福敬二教授、参加機関:九州大学、日立製作所、日立ハイテクノロジーズ、SUSTERA、岡山大学、豊橋技術科学大学